2025年4月30日 公開
東証スタンダード上場の書店チェーンM社~再びGC疑義注記|特別情報
令和1年9月に事業再生ADR手続の成立を受けて経営再建中だが、事業再生計画の最終年度にあたる7年8月期の中間決算で継続企業の前提に関する疑義注記を記載した。ネット通販やデジタルコンテンツの普及で書籍の市場規模は縮小傾向が続く中、その対応策として店舗リニューアル等の販売強化策を実行してきたものの、慢性的な赤字から平成30年8月期に2億33百万円の債務超過となり、上場廃止基準に抵触することとなった。上場廃止のタイムリミットは令和1年8月までであったが自力での再建は難しいと判断し、事業再生ADRを申請することになった。金融機関による支援は既存の借入金のうち41億60百万円の債務を株式化し、残りの借入金は事業再生計画の最終年度にあたる7年8月末までリスケすることなった。また大手取次のX社に5億円の増資を引き受けてもらい、仕入債務の一部支払いを猶予してもらったほか、必要に応じて追加支援を受けることで合意した。これらの支援により2年8月期に債務超過は解消され、3年8月期第3四半期決算でGCの疑義注記を解消し、倒産リスクがより低いGC重要事象の記載となった。数値目標については3年8月期の黒字化を計画し、最終年度にあたる7年8月期は売上高161億円、経常利益2億41百万円、純利益2億28百万円とした。スタートは好調で、2年8月期には目標の売上高を上回り、利益面も前倒しで黒字化することができた。その後コロナ禍という逆風はあったものの、コミック本などの売れ行きがけん引し、3年8月期まで好調に推移していた。ところが、コロナ禍の収束とともに売上高は大きく落ち始め、最終利益2億円台という目標も1度も達成されることなく、数千万円の利益にとどまっている。こうした中、7年8月期中間期でGCの疑義注記をした。その理由として…
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