2025年6月4日 公開
東証プライム上場のゲーム開発Q社~期限の利益喪失回避に子会社株を担保提供|特別情報
令和6年12月期決算で一部の借入金に付された財務制限条項に抵触したため、期限の利益喪失の回避を目的に子会社株式を担保に差し入れた。コロナ禍の2年12月期に過去最高となる339億円の売上高を計上したが、3年12月期は既存タイトルの売れ行きの鈍化で100億円もの減収となり、34億円の最終赤字となった。4年12月期以降も既存タイトルの売れ行きが鈍くなる中で新たなヒット作を市場投入することができず、6年12月期の売上高は最盛期の4分の1まで縮小した。採算面も4期連続最終赤字となり、5年12月期から継続企業の前提に関する重要事象等を記載することとなった。こうした中、今年3月に開催された定時株主総会で異変が起きた。会社提案の取締役候補5名(いずれも重任)のうち、株主1名がX社長の取締役解任を求めてきた。X氏は平成14年に入社し、22年に取締役、24年に専務、31年に社長へと駆け上がってきた。社長に就任して6年になるも新たな収益源となる新作がリリースされることなく、既存のアプリに頼った経営が業績の悪化を招いており、また、株主に対して十分な説明責任を果たさないなど、株主軽視の姿勢が見て取れることが解任に値するという。株主総会は会社提案による取締役候補5人に対する投票から始まったが、X氏への賛成票は42.5%にとどまり、この時点でX氏の取締役退任が決まったため、株主提案は採決されなかった。他の4人の候補者についても、最も高い賛成票で60.6%、最も低いもので57.4%という結果となり、経営陣に対する不信感が如実に表れる結果となった。X氏の後任の社長には創業者であるY氏が6年ぶりに復帰することとなったが、人材の不足感は否定しがたい。冒頭に述べた子会社株式の担保提供であるが、具体的な社名は公表していない。当社の連結子会社は…
続きを読むには特別情報の会員申込みが必要です。
詳細は小社までお問合せください
特別情報とは
「倒産してからでは遅い」という声をよく聞きます。
たしかに与信管理や審査では事前の兆候について社内外からの幅広い情報収集は不可欠ですが、現実にはなかなか容易ではありません。

実は東京経済の「特別情報」は、独自の取材ルートと確かな実績で長年にわたり金融機関・総合商社をはじめとする審査のプロたちから一目置かれています。
審査マンの心強いパートナーとして、「特別情報」のご活用をお勧めします。
詳しくはお気軽にお問合せください。
無料お知らせメール登録
債権・動産譲渡登記リスト、問合せ集中ランキング、特別情報が更新されたことをお知らせするメールサービスを実施しております。 メールサービスの登録は無料です。お気軽にお申込み下さい。