2025年5月21日 公開
東証グロース上場の情報サービスO社~大型買収の失敗|特別情報
令和7年3月期決算は売上こそ100億円の大台に乗せたものの期首予想の150億円を大幅に下回り、利益率の高い広告収入の落ち込みなどから55億円もの最終赤字となった。その結果、1年以内返済予定の借入金31億円は手元資金5億円に対して多額となっており、第3四半期に付けられた継続企業の前提に関する疑義注記は、そのまま継続されることとなった。現在の主力事業となっている株式情報サイトを含め、当社は様々な事業を買収して成長してきた企業で、近年では4年12月にX社から71億円で買収したY社が大型案件。Y社はブログやニュースなどの情報サービスを提供しており、買収時の月間利用者数は約7,000万人、SNSフォロワー数は約2,400万人に上った。しかし、買収に伴って多額ののれんや顧客関連資産および借入金を計上することとなった。Y社の買収で5年3月期の売上は大きく伸長したが、ウェブ検索エンジンの仕様変更等により主力アフィリエイトサイト同士が競合して広告単価が下落することとなり、2億円の経常赤字となった。6年3月期はこれらの問題も解決して単価ダウンに歯止めがかかったものの販管費の増加から最終赤字に転落し、7年3月期はブログのPV数減少に伴う広告収入の落ち込みや大型案件の失注などから赤字幅は膨らんだ。資金不足についてはすでに第3四半期で指摘されていた。今年2月に経営責任を取って創業者が会長に退き、後任社長に序列4位のZ取締役が就任した。会長は6月開催予定の定時株主総会をもって取締役を退任する。また、8年3月期を最終年度とする中期経営計画を取り下げ、従来の拡大重視の事業方針から転換して当面は業務の効率化を目指し、20億円超の費用削減と投資抑制により8年3月期から利益とキャッシュを創出できる体制の構築を目指すことを発表した。その一環としてY社を含む連結子会社2社を定時株主総会の決議を経て吸収合併し、同期から単体体制(非連結)に移行する。また、コンテンツ(イベント)事業からの即時撤退と投資の継続が必要な事業・サービスを終了し、撤退する。現在、金融機関とは…
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