2024年4月10日 公開
東証プライム上場のオンラインゲーム開発A社~3期連続営業赤字で有報にGC重要事象等を記載|特別情報
3期連続の営業赤字および営業キャッシュフローのマイナスにより、令和5年12月期の有価証券報告書において継続企業の前提に関する重要事象等を記載した。決算短信や株主総会の招集通知では記載がなかった。携帯電話向けのプログラム開発を目的に設立され、平成21年ごろから現在の業態となるオンラインゲームの開発・販売へと軸足を移していった。23年9月に東証マザーズへ上場し、1年も経たない24年5月に同1部へ昇格した。これに前後してシンガポールや米国などの海外にも進出し、併せてイベント事業、ライセンス事業、飲食事業などを立ち上げた。しかし、これらの事業が実を結ぶことはなく、29年3月にイベント事業からの撤退を表明すると、30年2月に非ゲーム事業の整理を発表した。この間、ゲーム事業の方は順調に推移し、令和2年12月期には過去最高となる339億円の売上高を計上した。しかし、以降の業績は一挙に悪化する。3年12月期は既存タイトルの売れ行き鈍化で前期比100億円の減収となり、16億円の減損損失を計上して最終赤字は34億円となった。4年12月期も既存タイトル数の減少から70億円の減収となったが、経費の圧縮や円安効果もあって最終赤字は5億円にとどめた。5年12月期は新作タイトルの開発に注力したものの、いくつかの既存タイトルの中止などで61億円の減収となり、減損損失8億円を計上して18億円の最終赤字となった。なお、4年から5年にかけて新作の開発に注力してきたが、いずれの期も実需に結び付けることができなかった。そして今年も3月中に新作タイトルをリリースする予定であったが、プラットホーム側の問題からリリースの時期が9月に変更となり、6年12月期はスタート時点から事業計画と大きく乖離することとなった。そのため、将来の課税所得の見積りの見直しが必要となり、税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額が4億53百万円増加することから、第1四半期において繰延税金資産を同額取り崩すこととなった。繰延税金資産の取り崩しが発表されたのは5年12月期の有価証券報告書の発表と同じ3月29日で、2月8日に発表した決算短信や3月8日付の定時株主総会の招集通知では記載してなかったGC重要事象等が有報では記載されることとなった。なお・・・
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