2024年4月3日 公開
東証スタンダード上場の継手メーカーT社~子会社社長による不正取引|特別情報
平成29年2月に連結子会社化した消防施設工事を手掛けるX社において、X社社長による架空取引が行われ、架空請求によって得た資金が関係者に渡っていたことが、3月26日に公表された特別調査委員会による調査報告書で明らかとなった。当社の前身は昭和52年8月に設立された同名会社で、平成14年1月に同社は資産管理会社となり、当社が事業部門を引き継ぐ目的で設立された。一方、問題となったX社はY氏が創業した消防施設工事業者で、当社による連結子会社化以降もY氏が社長を務めていた。きっかけはY氏の50年来の友人が老後資金を作りたいというもので、持ち掛けられたY氏は不正取引で資金を捻出することを考え出す。先述したY氏の友人は消防施設工事会社を経営しており、ゼネコンから工事を請け負うとX社へ丸投げし、X社はさらに友人の息子が代表を務める別の消防施設工事会社へ丸投げする。丸投げされた同社はY氏の知り合いでお金に困っている個人事業主6名へ外注に出すわけだが、個人事業主は工事代金を直接請け負った工事会社に請求せず、X社に請求する。X社からみれば、友人の息子の工事業者へ支払う代わりに個人事業主へ支払うことになる。ところで、この個人事業主たちは工事をまったく行わず、Y氏の友人が決めた言い値でX社に請求していた。X社は請求された金額の妥当性をまったく検討せず、請求されるがままに支払っていたわけだが、社長の案件として社内では疑う者は誰もいなかったという。不正取引は平成27年から行われていたが、調査対象となった平成29年から令和5年までの約6年半に不正請求された金額は1億30百万円に上り、X氏が5%、X氏の友人が85%、架空請求をしていた外注先が10%の割合で受け取っていた。2月9日に予定されていた5年12月期の決算発表は・・・
続きを読むには特別情報の会員申込みが必要です。
詳細は小社までお問合せください
特別情報とは
「倒産してからでは遅い」という声をよく聞きます。
たしかに与信管理や審査では事前の兆候について社内外からの幅広い情報収集は不可欠ですが、現実にはなかなか容易ではありません。

実は東京経済の「特別情報」は、独自の取材ルートと確かな実績で長年にわたり金融機関・総合商社をはじめとする審査のプロたちから一目置かれています。
審査マンの心強いパートナーとして、「特別情報」のご活用をお勧めします。
詳しくはお気軽にお問合せください。
無料お知らせメール登録
債権・動産譲渡登記リスト、問合せ集中ランキング、特別情報が更新されたことをお知らせするメールサービスを実施しております。 メールサービスの登録は無料です。お気軽にお申込み下さい。