2024年3月21日 公開
東証グロース上場の電解銅箔メーカーR社~買収防衛策発動へ|特別情報
銅箔製造設備の販売を手掛けるX社から株式の買い占めに遭い、対応に追われている。当社の前身は昭和33年10月に設立されたY社で、令和1年10月1日付で当社がY社を吸収合併した。主にEV車向けの電池用銅箔とスマートフォンや基地局などに使われる回路基板用銅箔を製造している。本社工場で製造を担っていたが、2年3月に米国法人を買収すると生産能力が一挙に拡大し、3年6月に東証グロースへ株式を上場した。5年3月期になると米国における金利上昇や半導体不足、中国をはじめとする世界的なスマホの需要減で車載電池用銅箔、回路基板用銅箔とも売上高が大きく落ち込み、最終赤字は19億円になった。この間、X社は4年5月から当社株式を買い始め、同年7月には議決権ベースで保有割合が5.1%になった。保有目的は「純投資」となっているが、異変に気付いた当社はX社と対話をする場を設けるようになる。しかし、その後も買い進めて4年10月には18.6%に上昇し、一時的に16.0%に落ち込むものの、5年6月に開催された当社の定時株主総会でZ社長の取締役選任議案に反対票を投じるなど、対決姿勢が鮮明となった。その後、同年8月に行われた話し合いでは、X社が買い増しは行わないと明言したため、保有割合はしばらく16.0%の状況が続いた。しかし、X社に対する疑心が完全に拭えたわけでなく、6年1月に同業のU社と資本業務提携を締結し、新株予約権を割当てると同時にU社から13億円を借入れた。新株予約権の行使による調達額は最大24億円になり、20.0%を保有する筆頭株主になる。一方、X社の保有割合は12.8%に低下してしまうため、危機感を持ったX社は2月に入ってから買い増しを進める。2月28日行われた会談では、相変わらず買い増しするかしないかの明確な回答をしないため、当社はX社が20%以上を保有する可能性ありと判断した。実際、3月6日時点で保有比率は19.7%まで高まっていた。X社を株主として「非適格者」と認定した当社は、買収防衛策として株主に対して・・・
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