2023年5月17日 公開
東証グロースの食品宅配サービスP社~3期連続赤字で金融機関の対応に変化|特別情報
宅配事業を主業とする当社にとって新型コロナウイルス感染症のまん延は追い風のように思われたが、令和2年7月に参入した新規事業が大きく足を引っ張り、さらに設備投資による過大な借入金が経営の重荷となっている。「一人でも多くの方が、健康で幸せな毎日を送れますように」をスローガンに設立されたもので、MFD(健康食宅配)事業、CID(冷凍食宅配)事業、マーケティング(カタログ誌面の広告枠販売等)が経営の3本柱となっている。業績はほぼ右肩上がりで成長を続け、平成31年3月期には過去最高となる33億円の売上高を計上した。さらなる成長を目指し、これまで仕入れに頼っていた健康食材を自前で生産できるようにと、令和2年1月に埼玉工場を建設した。ところが、投資総額は当初の予定をはるかに上回る64億円に達することとなり、建設前までは無借金経営だったが、借入金50億円が2年3月期の決算書に計上されることとなった。2年に入ると新型コロナがまん延するようになるが、当社の業績はむしろ、下降線をたどるようになる。特に2年7月に参入したCID事業が大きく足を引っ張り、3年3月期は同事業が11億円もの赤字となり、全社では3億円の最終赤字となったため、財務制限条項に抵触し、継続企業の前提に関する重要事象等を記載した。4年3月期もCID事業は7億円の赤字となり、さらに埼玉工場について17億円の減損処理をした結果、19億円の最終赤字となった。取引銀行は無担保で融資していた50億円に対し、同期末までに埼玉工場に対して担保設定をしたが、登記自体は留保することにした。しかし、5年同期に入っても業績の改善が見込めないため、4年9月に極度額43億円の根抵当権を登記して第三者に対抗することにした。5年3月期の売上高は・・・
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