2020年12月8日 公開

(株)ザ・クイーンズヒルゴルフ場｜福岡県糸島市

【業種】 ゴルフ場
【倒産形態】 民事再生手続開始決定
【負債総額】 150億円内外

12月7日、福岡地裁より民事再生手続開始決定を受けた。管財人は高松 康祐弁護士（弁護士法人みらい法律事務所、福岡市中央区警固1-12-11、TEL 092-781-4148）。負債総額は150億円内外（令和元年7月時点での預託金118億円内外を含む）。

不動産ディベロッパーを経営していた田原 學氏が設立したゴルフ場。アメリカ人以外で史上初のＬＰＧＡツアー賞金女王となった女子プロゴルファー岡本 綾子氏の設計監修で、福岡市内から車で30分程度とアクセスがしやすいことから一躍人気ゴルフ場に。平成13年には日本最古の歴史と伝統を誇る日本プロゴルフ選手権大会（第69回）が開催されるなど、名門ゴルフクラブの仲間入り。平成14年7月期の売上高は9億4,000万円内外にのぼった。

しかし、平成14年11月に期限を迎えた90億円内外の預託金償還は、3分割にして期限を10年延長するなど、採算は思わしくなかった。平成24年11月、預託金118億円内外の償還期限を迎えたが、資金を用意できないため、事前に会員に対して「永久債」への転換要請を行った。その後も業績は改善されることなく、平成29年7月期は9,000万円内外の赤字決算となった。平成29年3月に創業者である田原 學氏が死去後、令和元年12月に同氏の長男である田原 司氏が代表に就任したが、旧経営陣との間で株主権をめぐる騒動が起きていた。加えて、元理事6名による「クイーンズヒルゴルフ場を守る会」が発足するなど、現代表とのトラブルは絶えず、現代表のもとでの経営は困難として、今年10月8日に債権者より福岡地裁へ民事再生手続開始を申し立てられていた。