2023年4月19日 公開
東証スタンダードの靴小売チェーンM社~5期連続赤字で債務超過転落|特別情報
令和4年2月期は期末直前に親会社のX社に優先株50億円を引き受けてもらって債務超過を回避したが、5年同期は55億円の最終赤字となり、31億円の債務超過に転落した。X社から支援を仰ぐ際に策定した4カ年の事業再生計画では、今後3年間で200店舗以上のリニューアルを図る一方、2年間で110店舗を閉鎖する計画が組まれた。初年度にあたる5年2月期は不採算事業・不採算店舗の整理による止血策が優先され、ある程度の赤字はやむを得ないとしてスタートした。しかし、新型コロナの影響や中国のロックダウンによる春夏商品の一部遅延などで第2四半期までの計画数値に狂いが生じ、たまらず親会社に資金援助を要請した。しかし、具体的な資金援助策も決まらないまま想定以上に赤字幅は拡大し、第3四半期に11億円の債務超過に転落、期末直前の5年2月末になってようやく50億円の融資が実行された。金利は短期プライムレート(変動金利で調達時は1.475%)+0.3%とやや高め。利益相反の観点から高めの金利を設定せざるを得ず、増資を選択しなかったのも自助努力による財務改善を求めたものとみられ、当社と親会社の微妙な距離感が見て取れる。ちなみに5年2月期末の取引金融機関からの借入金は前期比48億円減の169億円となっており、親会社からの増資資金50億円は・・・
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