2023年3月22日 公開
東証スタンダードの試験機器メーカーI社~不正取引でGC疑義注記|特別情報
不正会計が発覚し、決算を平成31年2月期までさかのぼって修正するとともに監査法人が適正意見から限定的適正意見に変更、さらに令和5年2月期第3四半期決算が赤字転落したことで資金繰りに懸念が生じ、継続企業の前提に関する疑義が注記された。3月3日にリリースされた第三者委員会の調査報告書によれば、不正の手法として不自然な資金の循環が認められる取引(金融取引)、その懸念が強く疑われる取引(金融取引疑義)、そして仕入先と販売先の間に割って入るだけの取引(介入取引)の3つに大別している。3つに共通しているのは商取引の対象となる商品自体が実在していない、あるいはその実在が疑われるケースである。実際、棚卸時にあるべき商品が存在せず、監査法人との報告会にもX社長(当時)があるときから出席しなくなるなど、事態を隠ぺいするかのような態度をとっている。また、当社の営業担当者が販売先の注文書や仕入先の請求書の作成をサポートするなど、不自然な行動も指摘されている。平成29年の子会社による粉飾決算を受けて経営陣は総退陣したものの、その子会社で社長を務めていたX氏が平成30年5月に当社社長として復帰すると、令和5年の創業100周年に向けて業績アップの大号令をかける。そこで目を付けたのが海外事業だ。ところが、海外事業とは名ばかりで、実態は中国系の業者から日本国内で流通している日用雑貨などを仕入れ、中国市場への販売ルートを持っている中国系の業者に転売するというものだ。中にはX氏の紹介で取引に加わった業者もあり、これらの業者を思い通りに使っていたようだ。役員の中には「資金融通は回転しているうちはいいが、回転が止まると破綻する」との認識を持ちながら、X氏の前では何も言えなかったようである。これらの取引に対する売上高は総額処理(売上高と売上原価をそれぞれ計上する方法)されていたが、純額処理(売上高と売上原価との差額(純額)を売上高として計上する方法)に変更されることとなり・・・
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