東証スタンダード上場の自動車部品メーカーA社~今年も有報提出期限に間に合わず|特別情報
取引金融機関や主力得意先のX社の支援を受けて経営再建中だが、令和7年3月期の決算発表が遅れている。6月19日には、有価証券報告書の提出が今月中の期限に間に合わないため、期限の延長要請を検討しているとリリースした。実は本決算以前に第3四半期の決算短信もまだ発表できていない。理由について会社は「連結子会社であるY社において買掛金勘定や付加価値税勘定の過去の決算における誤りが判明したことに伴い、過去年度別に遡って誤りの背景や原因そして正しい会計処理と影響金額等の調査を実施」(リリースを引用)しているためと説明している。誤りに気づいたのは昨年10月だという。当社は令和6年3月期の有報の提出も1カ月遅れた。その原因はY社で自国通貨により記帳し作成した財務諸表を、機能通貨である米ドルに換算する過程で適用するレートや計算を誤ったことにあった。今回は、Y社がそもそも会計処理、仕訳を誤っており、自国通貨建ての財務諸表自体が正しくないことが判明したことによる。会社では、3年前の基幹システム移行時の準備不足などが誤りを生んだ主な要因と分析している。実態解明のため、今年1月に当社の経理部の部長級を1名、3月に追加で1名をメキシコに派遣しているほか、外部専門家のサポートも受けているというが、「多岐にわたる大量の証憑とシステムが保有するデータの突合が極めて難航して」(同)いる。6月27日の定時株主総会では決算報告ができないため、後日「継続会」を開催することになる。当社は昨年11月1日、X社に対する優先株式の発行で60億円調達し、同日付で社長にX社の購買部門出身のZ氏、副社長にもX社の技術畑出身のU氏が就任した。当社はX社にとってつぶれては困る存在であることが手厚い支援の背景にあるのはまちがいない。優先株は議決権があるタイプで、X社は議決権比率13.05%の筆頭株主となった。優先配当率は年7.0%。取引行も…
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