2018年9月21日 公開

続報／久栄漁業(株)｜青森県八戸市

【業種】 底引き網・イカ釣り漁業
【倒産形態】 破産手続開始決定
【負債総額】 30億6,909万円

2月28日付本情報号外で、2月27日に弁護士同伴で破産手続開始申立の準備に入る旨を社員に通告して突然事業を停止したことを既報の同社は、9月10日に青森地裁より破産手続開始決定を受けた。破産管財人には小野 晶子弁護士（浅石法律事務所、青森県八戸市根城9-19-9、TEL 0178-43-1425）が選任されている。負債総額は債権者43名に対し30億6,909万円が見込まれている。

明治創業とされる老舗の漁業業者で、ピーク時には自前の船も6隻所有し、底引き網漁とイカ釣り漁業を主体として、八戸魚市場へ大半を卸し、売り上げも15億円超を計上するなど長年地域密着型の経営を行ってきた。また、現代表の父に当たる前代表は、八戸市内にある学校法人の理事長を務めるなど、知名度も高い。

しかし、赤字体質の経営が続いたことで財務面は債務超過に陥り、所有船も3隻まで減らすなど営業規模を縮小したが改善には至らず、年商もピーク時の1／3程度まで低下。この状況の中で2月27日に社員を集め、急きょ事業を停止する旨を発表し全社員を解雇していた。

事業停止直後の負債総額は14億円内外とされたが、ここ2、3年の深刻なイカ不漁も影響して損失が積みあがったことで、負債総額が倍増したと見られている。

（※「柳」と表記しておりますが、正しくは「木へん」に「夘」です）